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小物店・ラトビック管理人です。
トーベ・ヤンソンのムーミン物語
は全9作品。(絵本等を除く)
一作目は
1945年出版の「小さなトロールと大きな洪水」です。
第二次世界大戦中に構想を練り、書かれたとのことですが、
日本語訳の出版は、物語全9作品中いちばん最後、1991年でした。
内容・絵の面白さはもちろん、
トーベさんの歴史が垣間見れる記述があり、とても興味深く読めます。
挿絵はトーベさんおなじみ白黒の.ペン画も水彩画もあり、原画全部見たい!!
再度の原画の展覧会開催、熱烈希望です。
ちなみにこの時代のムーミンたちは鼻が長くて可愛いとは言えませんが不思議な魅力があります~。
物語について、トーベさん自身がまえがきで、
「わたしが読んで好きだった、子供の本の影響を受けています。
たとえば、ジュール・ヴェルヌやコッローディ」とあり、さらに
「この本のタイトルは「グラント船長をさがすこどもたち」にならい、
「パパをさがすムーミントロール」にしたかった」と書かれていました。
(どちらも、小さなトロールと大きな洪水 まえがき引用)
ヴェルヌの「グラント船長をさがす子どもたち」がストーリー全体のしたじきとなって、
ママとムーミンがふたりして、行方不明のパパをさがす冒険物語が書かれたのです。
(日本では、「グラント船長の子どもたち」や、「難破船」として出版されています)
そしてコッローディ「ピノッキオの冒険」に出てくる青い髪の妖精から、
チューリップの家に住む青い髪の少女、チューリッパが、イメージされたということです。
しかしこれらの物語がしたじきということを聞くと、ムーミン物語への理解も深くなります。
おまけですが、チャーリーとチョコレート工場の世界に似ている描写もあり、楽しめます。
以下少々ネタバレあります。
パパの放浪ぐせ?とママ
は、この第一作から少々発揮されていますが、
大洪水の中やっと再会できたパパを抱きしめるママは、
奥さんというより子どもがかわいくて仕方ない母親の感じ。
パパはママにとっては駄々っ子のようです。
でもこの物語の中のママは、ムーミンやスニフを守ることはいつも同じですけど、
ある部分ではずいぶんとあせったり慌てたりしていて、
誰でも何でもいらっしゃいという、ムーミンママとはちょっと違います。
こんな、(めずらしく)気持ちがむき出しのママは、
「ムーミンパパ海へ行く」でも描かれていて、人間らしい。
家族の中の太陽のような、何でも受け入れてくれる肝っ玉かあさん、広い心でやさしいムーミンママが理想!という話をよく聞きますが、当然無理なことです~。はい。
このお話からママの別の面を垣間見て、ちょいとホッとしたりもしました(^_^;)
一方、皆と再会したパパはひとこと、「息子よ、ずいぶん大きくなったなあ!」
洪水がおきたとはいえ、アンタ、どれだけ放浪し続けたかわかってるの?です・・・。
しかしこの期間ただ放浪していただけではなく、しっかりお家を建てていたところはエライ。
やることはやっているパパです。
この洪水によって、パパが建てた家が 美しい谷 に到着しているのを見つけます。
そしてここから楽しいムーミン谷の物語が始まります。
当小物店 ラトビック ではムーミン雑貨も販売しています。
ご来店お待ち申し上げております。
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